1.60歳の定年を迎えたとき、あなたならどうしますか?
会社員として長年働いてきた人にとって、60歳という年齢は一つの節目です。
毎日通勤し、仕事を覚え、上司や同僚と付き合い、家族のために働いてきた。
そんな生活が、定年を境に大きく変わります。
そこで悩むのが、60歳で完全に退職するか、それとも再雇用で65歳まで働くかという選択です。
「もう十分働いた。これからは自分の時間を楽しみたい」
そう考える人もいるでしょう。
一方で、
「年金だけで生活できるだろうか」
「住宅ローンや生活費は大丈夫だろうか」
「もう5年働いて、少しでも貯金を増やそうか」
そんな不安から、再雇用を選ぶ人もいます。
どちらが正解なのかは、人それぞれです。
2.再雇用を選ぶと、給料が下がることがある
60歳以降も同じ会社で働ける再雇用制度は、長年勤めてきた会社で仕事を続けられるというメリットがあります。
しかし、定年後は雇用契約が変わり、給料や役職、仕事内容が変わることがあります。
例えば、以前は月40万円以上もらっていた人が、再雇用後には大きく収入が減ることもあります。
それでも、仕事の内容は以前とほとんど変わらない。
若い社員の相談に乗り、取引先との対応を手伝い、経験を生かして仕事を進める。
ところが、給料は下がってしまう。
「同じように働いているのに、どうしてこんなに違うのか」
そんな不満を感じる人もいるでしょう。
再雇用を選ぶ前には、給料だけでなく、勤務日数、仕事内容、責任の範囲なども確認しておきたいものです。
3.昨日まで部下だった人が、今日から上司になる
再雇用で意外と難しいのが、職場の人間関係です。
昨日まで部長だった人が、定年後は役職のない社員になる。
そして、かつての部下が上司になることもあります。
今まで指示を出していた相手から、仕事の指示を受ける立場になるのです。
お互いに気を使い、何となく話しにくくなることもあるでしょう。
しかし、ここで大切なのは、過去の役職にこだわりすぎないことです。
長年の経験を若い社員に伝えることも、再雇用者の大切な役割です。
反対に、若い社員からパソコンの使い方や新しい仕事の進め方を教わることもできます。
年齢や役職に関係なく、お互いに学ぶ姿勢があれば、職場で新しい役割を見つけられるかもしれません。
4.60歳で退職すると、生活費はどうなる?
一方、60歳で完全に退職する場合は、収入の問題を考えなければなりません。
公的年金は原則65歳から受け取る仕組みです。
そのため、60歳で退職して年金を65歳から受け取る場合、間の生活費をどうするかが大きな課題になります。
貯金を取り崩すのか、退職金を使うのか、それとも短時間の仕事をするのか。
住宅ローンや車の維持費、食費、光熱費、医療費など、毎月の支出を書き出してみることが大切です。
また、65歳まで働いた場合も、必ずしも現役時代と同じ収入が続くわけではありません。
自分の年金見込額や貯蓄、退職後の生活費を確認し、無理のない計画を立てる必要があります。
5.5年間働けば、年金はどれくらい増える?
再雇用で働き続けるメリットの一つは、厚生年金に加入して働けば、将来受け取る年金額が増える可能性があることです。
ただし、増える金額は、給与や加入期間などによって異なります。
「5年間働けば、年金が毎月必ず1万3,000円増える」といった一律の数字ではありません。
また、働いている間の収入と、退職後に受け取る年金の両方を考える必要があります。
自分の場合はいくら増えるのか、年金定期便や日本年金機構の「ねんきんネット」などで確認しておきましょう。
数字を確認してから判断することが、後悔しないための第一歩です。
6.定年後の選択に、正解は一つではない
60歳で退職する人もいれば、65歳まで働く人もいます。
さらに、同じ会社で再雇用されるのではなく、別の会社に転職する人もいるでしょう。
大切なのは、周囲の人と比べて決めないことです。
収入を優先したい人もいれば、健康や自由な時間を大切にしたい人もいます。
家族との時間を増やしたい人、趣味や地域活動に挑戦したい人もいるでしょう。
私自身、会社員だった頃には、定年後の生活を考えていたつもりでした。
しかし、実際に退職してみると、仕事がなくなった後の時間の使い方や、年金生活の現実など、考えていた以上に変化がありました。
だからこそ、60歳を迎える前から、少しずつ準備しておくことが大切なのです。
60歳で辞めるか、65歳まで働くか。
答えは、年金の金額だけでは決まりません。
お金、健康、家族、そして自分の人生。
5年後に後悔しないために、自分に合った働き方を考えてみませんか。


