【第4話】1年以上ぶりに帰った我が家――地震で変わり果てた家と、介護施設に戻る決断

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1.ずっと「家に帰りたい」と願っていた二人

叔父さん85歳、叔母さん90歳。

二人は、1年以上も自宅を離れ、別々の介護施設で暮らしていました。

以前、叔父さん夫婦の話を聞いたとき、二人が口にしたのは「家に帰りたい」という言葉でした。

住み慣れた家に戻りたい。自分の家で、いつものように暮らしたい。

そう願う気持ちは、私にも分かるような気がします。

介護施設には、食事や身の回りのことを支えてもらえる安心があります。

それでも、長年暮らしてきた自宅には、思い出があります。使い慣れた家具や食器、いつもの台所。何気ない日常がそこにありました。

二人にとって、自宅に帰ることは、以前の生活を取り戻すことだったのかもしれません。

ところが、実際に帰ってみると、思い描いていた現実とは大きく違っていました。

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2.家の中は、地震の影響で大変な状態だった

1年以上ぶりに戻った自宅。

そこで二人が目にしたのは、地震の影響で荒れた家の中でした。

箪笥はひっくり返り、テレビも倒れていました。

台所の食器棚からは食器が散乱し、床には割れたガラスが残ったまま。足の踏み場もないような状態だったのです。

以前は普通に暮らしていた家が、以前とは違う場所になっていました。

帰れば、いつもの生活に戻れる。

そんな期待があったかもしれません。しかし、家具が倒れ、食器が散らばり、ガラスが割れたままの家では、すぐに生活を始めることはできません。

家に帰ることと、そこで安全に暮らせることは、別の問題だったのです。

3.叔母さんは、もう台所に立てない

さらに大きな問題がありました。

叔母さんは、もう台所に立つことができません。

家の中を片づけるだけでも大変なのに、毎日の食事を作ることも難しいのです。

以前の暮らしを取り戻すには、家の中を安全な状態に戻すことに加えて、食事や身の回りのことを支える仕組みも必要になります。

家族が手伝えるのか。食事の配達や介護サービスを利用できるのか。車いすでの移動や、日常生活に必要な場所への移動は大丈夫なのか。

考えなければならないことが、たくさんあります。

「家に帰りたい」という願いがあっても、暮らしを支える環境が整っていなければ、自宅で生活を続けることは難しい場合があります。

4.叔父さんも、施設に戻ることを考え始めた

荒れた自宅を目の前にして、叔父さんも考えを変え始めました。

あれほど家に帰りたいと願っていたのに、自宅にとどまることを諦め、介護施設に戻ることを考えるようになったのです。

その姿を思うと、何とも言えない気持ちになります。

帰りたかった家に、ようやく戻れた。

しかし、そこには以前の生活がありませんでした。

家が安全でなければ、安心して暮らすことはできません。食事を作ることが難しければ、毎日の生活にも困ります。

叔父さんにとって、施設に戻ることは、望んでいた選択ではなかったかもしれません。

それでも、現実を見て、これからどう暮らすかを考えなければならなかったのでしょう。

5.家に帰ることと、家で暮らし続けることは違う

今回の出来事から、私は大切なことを教えられた気がします。

それは、家に帰ることができても、そこで暮らし続けられるとは限らないということです。

高齢になれば、体の状態も変わります。以前はできていたことが難しくなる場合もあります。

そこに地震などの災害が重なれば、自宅が傷み、家具が倒れ、生活に必要な環境が失われてしまうこともあります。

自宅で暮らすためには、建物の安全だけでなく、食事、入浴、移動、見守りなど、日々の暮らしを支える仕組みが必要です。

そして、本人がどんな暮らしを望んでいるのか、家族や介護に関わる人たちが一緒に考えることも大切です。

自宅に戻ることが難しい場合でも、施設での生活を安心できるものにする方法はあるかもしれません。

6.本当に大切なのは、安心して暮らせる場所

叔父さんと叔母さんは、1年以上も自宅を離れて暮らしてきました。

ようやく帰った家は、地震の影響で大きく変わっていました。

帰りたかった家。でも、そこでは以前のように暮らせない。

この現実は、災害と介護が重なったとき、どんな問題が起こるのかを私たちに教えてくれます。

自宅で暮らすことにも、施設で暮らすことにも、それぞれの良さと難しさがあります。

大切なのは、どちらが正しいと決めつけることではありません。

本人が望む生活を考えながら、安全に、そして安心して暮らせる場所を探すことです。

いつまでも住み慣れた家で暮らしたい。

その願いをかなえるためには、元気なうちから住まいや介護、災害への備えについて考えておくことも必要なのかもしれません。

皆さんは、もし自分の家が災害で大きな被害を受けたら、どこで、どのように暮らしたいと思いますか。