空気で走る自動車は、排気ガスを出さずに
地球にやさしい未来の乗り物として注目されています。
圧縮した空気をエネルギーに変えて走るため、
ガソリンや電気を必要としないのが特徴です。
インドの自動車メーカー「Tata Motors」や
フランスの「MDI社」が研究を進めており、
試作車もすでに公開されています。
では、その仕組みやメリット、
そして課題について見ていきましょう。
空気で走る仕組みと特徴
【引用元】Responseレスポンス
空気エンジン自動車は、タンクに高圧の空気をため、
その空気をエンジンに送り込みます。
圧力でピストンを動かすことで車輪を回します。
仕組みはシンプルで、燃料を燃やさないため
排気ガスを一切出しません。
排気として出るのは、ただの冷たい空気です。
そのため都市の大気を汚すことがなく、
大きな環境メリットがあります。
静かな走行音も特徴で、
市街地走行や夜間の移動にも向いています。
空気エンジンのメリット
【引用元】産経新聞
最大のメリットは「排気ゼロ」です。
地球温暖化の原因となるCO₂を出さず、
大気汚染も起こさないのは大きな利点です。
また、燃料に使う空気は無限にあり、
資源の枯渇を心配する必要がありません。
さらに、タンクに空気を充てんすればすぐ使え、
ガソリンのように値上げの影響も受けません。
フランスのMDI社は、タクシー用の空気自動車を開発し、
都市部の新しい交通手段として期待されています。
環境負担が少なく、コストが安い車として
大きな可能性を持っているのです。
空気エンジンのデメリット
【引用元】ちょっと変わった次世代自動車【次世代自動車の最前線 第5回】
一方で、課題も多くあります。
まず、一度の充てんで走れる距離が短く、
多くの試作車は100km未満しか走れません。
そのため長距離ドライブには不向きです。
また、圧縮空気を作るには電力が必要で、
その電力を火力発電で作れば
結局CO₂を出してしまいます。
さらに、タンクが大きくて重くなるため、
車体が重くなり効率が落ちる問題もあります。
インドのTata MotorsがMDI社と提携し、
改良を進めていますが、
まだガソリン車や電気自動車には
性能面で追いつけていません。
空気自動車の未来と展望
【引用元】いきなりタクシーグループ
それでも、空気エンジン自動車は
「究極のエコカー」として注目されています。
再生可能エネルギーで圧縮空気を作れば、
完全にクリーンな車になります。
また、短距離移動が中心の都市部では、
タクシーや宅配車として活用できる可能性があります。
すでにインドやフランスでは実証実験が行われ、
近い将来に市販化される可能性もあります。
課題は残りますが、技術の進歩によって
私たちの生活に身近になる日も近いでしょう。
まとめ
空気エンジン自動車は、
空気の力で走る夢のような乗り物です。
排気ガスを出さず、環境への負担も少ないことから、
次世代の交通手段として期待されています。
しかし、一度の充てんで走れる距離の短さや
エネルギー効率の低さなど課題もあります。
Tata MotorsやMDI社などが開発を進めており、
もし実用化されれば都市の交通は大きく変わります。
地球にやさしい未来を作るための一歩として、
空気自動車の進化に注目していきましょう。