【引用元】WIRED
地球温暖化や環境問題が大きな課題と
なっている今、空気で走る自動車が注目
されています。電気自動車やガソリン車
とはちがい、空気を圧縮して動力源にす
るため、排気ガスがほとんど出ません。
環境にやさしいだけでなく、新しい技術
として未来の移動手段になり得ます。本
記事では、空気で走る自動車の仕組みや
メリット・デメリット、今後の実用化に
ついてわかりやすく紹介します。
空気の圧縮とエネルギーの仕組み
【引用元】Waseda Weekly
空気で走る自動車は、まず空気を強い圧
力でタンクに閉じ込めます。この圧縮空
気を利用し、必要なときに放出してエン
ジンを動かします。たとえば自転車の空
気入れをイメージするとわかりやすいで
しょう。空気を押し込むと圧力が高まり、
強い力を生み出します。そのエネルギー
で車を動かすのが基本の仕組みです。電
気をためるバッテリーとは違い、火を使
わないので安全性が高い点も注目されて
います。
空気エンジンの駆動方法
【引用元】Chematels
空気エンジンは、タンクの空気をピスト
ンに送り込み、その力で車輪を回す方式
です。仕組みはガソリンエンジンに似て
いますが、燃料の代わりに空気を使う点
が大きなちがいです。エンジン内部では
空気が急に広がる力を利用するため、動
作音は小さく静かです。また、火花を使
わないため爆発の危険性がなく、環境に
も優しいと言われています。しかし課題
もあり、空気のエネルギー密度はガソリ
ンや電気に比べて低いため、航続距離が
短いのが現状です。
排気の特徴と環境への影響
【引用元】MoTAモーター
ガソリン車は燃料を燃やすため二酸化炭
素を排出しますが、空気で走る自動車の
排気は「冷たい空気」です。そのため地
球温暖化の原因となるガスをほとんど出
さず、とてもクリーンです。また、排出
される空気が冷えているため、夏場のエ
アコンの代わりに利用できるのではない
かという研究も進んでいます。ただし、
空気を圧縮する際には電気が必要で、そ
の電気を火力発電で作れば結局CO2が出
てしまうという問題もあります。ここが
「本当にエコかどうか」の議論点になっ
ています。
空気で走る自動車のメリット・デメリット
【引用元】東洋経済
メリットとしては、①排気ガスがほとん
ど出ない②燃料の代金が安い③エンジン
が静かで安全性が高い、などがあります。
一方でデメリットは、①航続距離が短い
②圧縮空気タンクが重い③専用の充填ス
タンドが少ない、などです。特に長距離
走行には不向きで、都市内や短距離用と
しての利用が期待されています。電気自
動車と同じくインフラ整備が必要であり、
技術の進歩とともに解決していくことが
望まれています。
まとめ
空気で走る自動車は、環境に優しい新し
い乗り物として世界中で研究が進んでい
ます。排気ガスが少なく安全性が高い一
方で、航続距離やインフラなどの課題も
残されています。しかし未来の都市交通
では、小型の空気自動車がシェアカーや
配達車として活躍する可能性があります。
今後の技術発展と実用化に大きな期待が
寄せられています。
【引用元】表紙のGigazine