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76年の旅路、友との別れ、そして唯一人残された使命
76年間という、本当に長い時間を生きてきました。その道のりは決して平坦ではなかったけれど、今、静かに振り返ると、胸に込み上げるのは、やはり温かい記憶の数々です。中でも、幼い頃、母の親指を握りしめたあの感覚は、今も鮮明に残っています。不思議なもので、その後に母の手を握ることはなかったけれど、あの時の温もりは、私の心の奥底に深く刻まれ、この76年間の支えになってきたように感じます。
社会に出てからの日々は、まさに激動でした。今の世の中を生き抜くために、がむしゃらに働き続けました。特に、土日も関係なく、夜が明けるまで、文字通り体が動かなくなるまで仕事に打ち込んだ時期もありましたね。それは、単なる義務感や生活のためだけではなかったように思います。何か、自分の中で燃え盛る情熱と、周りの期待に応えたいという強い思いが、私を突き動かしていたのかもしれません。必死だったあの頃の経験が、今の私を形作っているのは間違いありません。どんな困難に直面しても、諦めずに立ち向かう精神力は、あの頃の「必死」な日々が培ってくれたものです。
そして今、私は大きな別れに直面しています。人生の喜怒哀楽を分かち合ってきた、故郷の同級生たちが、一人、また一人とこの世を去っていく。彼らとの思い出が、まるで走馬灯のように脳裏を駆け巡り、その度に胸が締め付けられます。あんなにも賑やかだった仲間たちが、気づけば私一人を残して、皆、旅立ってしまった。この寂しさは、言葉では言い表せないほどです。
しかし、この喪失感の中に、私には新たな、そしてかけがえのない使命が芽生えました。みんなが逝ってしまった今、私だけが残された。だからこそ、彼らの分まで、この目で世の中の行く末を見届けたい。彼らが見ることのできなかった美しい景色を、感じることのできなかった時代の移ろいを、私がしっかりと心に刻みつけ、生き抜いていきたいのです。
この人生は、もはや私一人のものではありません。先に旅立った友人たちの思いを背負い、彼らが生きた証として、私はこれからも力強く生きていきます。彼らが残してくれた温かい思い出と、私への信頼を胸に、彼らの分まで、この先の人生を全うする覚悟です。
76年の歳月が私に与えてくれたものは、決して平穏な日々だけではありませんでした。しかし、その全てが、今の私を強く、そして深くしています。これからも、この目に焼き付けていく全てを、彼らに捧げるように生きていきたいと思います。
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