介護施設でeスポーツ！現役引退後の生きがいづくり

今、健康な人も、明日は分かりません
私は自分自身が病院の先生と思っています。
体の不調で仕事を辞め、介護施設に入居した後も、人生は続きます。「もう何もできない」と諦める必要はありません。全国の介護施設で今、 eスポーツが注目されています。体を動かせなくても、指先だけで楽しめて、脳を活性化できるのです。認知機能の改善効果も科学的に証明されており、奈良県の実証実験では 65〜75歳の方14名が 3か月間eスポーツを行い、認知機能改善の効果が見られました。まだ現役で働いていたあなたの経験や能力を、施設でも活かせる方法を家族のサポートとともにご紹介します。

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介護施設でeスポーツが広がる理由

全国の施設で導入が進む

介護業界では ICTの未導入率が25.8%、介護ロボットの未導入率が 80.6%という状況ですが、 eスポーツの導入は急速に進んでいます。

デイサービスや特別養護老人ホーム、有料老人ホームなど、様々な施設でレクリエーションの一環として取り入れられています。

全国初のシニア専用 eスポーツ施設も登場するなど、高齢者向けeスポーツは新しい文化として定着しつつあります。

体を動かせなくても参加できる

介護施設に入居する方の中には、体の不調で自由に動けない方も多くいらっしゃいます。

でも、eスポーツなら大丈夫です。

車椅子に座ったままでも、ベッドに寝たままでも、指先だけで操作できるゲームがたくさんあります。

タブレットを使えば、画面をタッチするだけで遊べます。

体力に自信がなくても、楽しく参加できるのが eスポーツの魅力です。

認知症予防の新しい方法

国立長寿医療研究センターの調査によると、社会的なつながりが多い高齢者は認知症のリスクが 4割減るというデータがあります。

eスポーツは競技性があり、対戦相手と交流できるため、社会的なつながりを維持できます。

オンラインでも参加でき、施設の外の人ともつながれます。

これが認知症予防に大きな効果をもたらすのです。

現役世代が感じる入居後の課題

突然の生活環境の変化

まだ現役で働いていた方が、体の不調で突然介護施設に入ることは、大きな衝撃です。

昨日まで仕事でバリバリ働いていたのに、今日から施設での生活。

この急激な変化に、心がついていけないことがあります。

「自分はまだ若いのに」「もっとできることがあるはずなのに」

そんな思いを抱える方がたくさんいらっしゃいます。

失われる社会とのつながり

仕事を辞めることで、社会とのつながりが一気に失われます。

毎日会っていた同僚、取引先の人、お客様との関係。

これらが突然なくなってしまうのです。

施設の中では新しい人間関係ができますが、それだけでは物足りなさを感じることもあります。

自信と自己価値の喪失

「もう自分は何もできない人間だ」

そう思い込んでしまう方も少なくありません。

長年培ってきた仕事のスキルや経験が、施設では使えないと感じてしまうのです。

自己肯定感が下がり、やる気も失われていきます。

これは精神的な健康にも良くない影響を与えます。

時間を持て余す日々

仕事をしていた頃は、 1日があっという間に過ぎていきました。

でも施設での生活は、時間がゆっくり流れます。

食事、入浴、簡単なレクリエーション。

それだけでは 1日が埋まらず、時間を持て余してしまいます。

「何かやりたいことがある」という気持ちが、行き場を失ってしまうのです。

eスポーツがもたらす3つの効果

効果1：社会とのつながりを取り戻す

eスポーツは、オンラインで全国の人と対戦できます。

施設の外の人、若い世代の人、海外の人ともつながれます。

同じゲームを楽しむ仲間ができることで、社会とのつながりを実感できるのです。

また、eスポーツの大会も各地で開催されており、 2025年1月には札幌ドームで世界大会が開催されるなど、大きな盛り上がりを見せています。

観戦するだけでも、社会の動きを感じられ、孤立感が和らぎます。

効果2：新しいスキルと目標

eスポーツは、新しいことを学ぶ機会になります。

ゲームのルールを覚え、操作方法を習得し、戦略を考える。

これらは全て、脳を活性化させる活動です。

「次はもっと上手になりたい」「あの人に勝ちたい」

そんな目標ができることで、毎日にハリが出てきます。

仕事をしていた頃の、あの充実感を再び味わえるのです。

効果3：自己肯定感の回復

ゲームで勝ったり、レベルが上がったりすると、達成感が得られます。

「自分にもまだできることがある」

そう実感できることが、自己肯定感を高めてくれます。

また、若い世代とも対等に勝負できるのが eスポーツの良いところ。

年齢や体の状態に関係なく、実力で勝負できます。

「まだまだ現役だ」と思える瞬間が、心に活力を与えてくれます。

現役時代の経験や判断力、戦略的思考などは、ゲームでも十分に活かせます。

あなたの能力は決して失われていないのです。

【引用元】東京新聞

家族ができるサポート方法

まずは話を聞くことから

家族として最初にできることは、本人の気持ちを丁寧に聞くことです。

「施設での生活はどうですか？」「何か楽しいことはありますか？」

そんな質問から始めてみましょう。

「何もすることがない」「つまらない」

そんな言葉が出てきたら、 eスポーツを提案するタイミングかもしれません。

本人の興味や関心に寄り添いながら、一緒に考えることが大切です。

一緒に体験してみる

eスポーツを勧めるだけでなく、家族も一緒にやってみることが重要です。

面会の時にタブレットを持参して、簡単なゲームを一緒に楽しんでみましょう。

孫がいる場合は、孫と一緒に遊ぶのも良いでしょう。

世代を超えた交流が生まれ、家族の絆も深まります。

「次の面会までに練習しておいてね」

そんな会話が、本人の楽しみになるのです。

適切な機器の準備

本人がeスポーツに興味を持ったら、適切な機器を準備しましょう。

初心者におすすめ

タブレット端末（画面10インチ以上）
簡単な操作のゲーム
保護ケースやスタンド

予算の目安

タブレット：2万円〜5万円
周辺機器：5,000円〜1万円
ゲーム：無料〜数千円

施設によっては Wi-Fi環境が整っているところもありますので、事前に確認しましょう。

施設のスタッフと相談して、保管場所や充電方法も決めておくと安心です。

施設スタッフとの連携

家族だけでサポートするのではなく、施設のスタッフにも協力してもらいましょう。

「父がeスポーツに興味を持っています。施設でも続けられる環境はありますか？」

そう相談してみてください。

多くの施設では、入居者の趣味活動をサポートしてくれます。

レクリエーションの時間に eスポーツを取り入れてもらえることもあります。

また、他の入居者にも声をかけてもらい、一緒に楽しむ仲間を作ることもできます。

定期的な関心とフォロー

eスポーツを始めた後も、継続的なサポートが必要です。

面会の時には、「最近どんなゲームをしていますか？」「うまくなりましたか？」

そんな会話を心がけましょう。

上達を褒めたり、新しいゲームを提案したりすることで、本人のモチベーションが維持されます。

また、たまには家族vs本人の対戦イベントを企画するのも楽しいでしょう。

オンラインなら遠方からでも一緒に遊べます。

【引用元】ＢＵＦＦＡＬＯ

まとめ

体の不調で介護施設に入居した後も、充実した日々を送ることはできます。 eスポーツは、体を動かせなくても楽しめる新しい活動です。社会的つながりが認知症リスクを4割減らす効果も証明されており、心身の健康維持に役立ちます。現役時代の能力や経験も十分に活かせて、自己肯定感を取り戻せます。家族は話を聞き、一緒に体験し、適切な機器を準備し、施設と連携することでサポートできます。新しい生きがいとして eスポーツを始めることで、施設での生活がより豊かになるでしょう。

参考資料