「明太釜玉ときばあちゃんと故郷の復興」【第二話：消えたボタ山と「いつもの」】

「ときわ庵」は、炭鉱が盛んだった頃、

深夜まで営業し、

汗だくの炭鉱夫たちが酒、

おでん、そして釜玉うどんをかき込んだ「熱気の中心地」だった。

しかし、今は常連客もまばら。

アキは、店の手伝いをしながら、

ときばあちゃんに町の現状を尋ねるが、

ばあちゃんは多くを語らない。

ただ、「うどんは熱いうちに食え」と、

今も釜から立ち昇る湯気だけが、

かつての町の熱をかろうじて伝えている。